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2005.3.2 |
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超巨大鉄鋼企業の時代へ…2005年2月22日、新日本製鉄は伯CVRDと鉄鉱石価格71.5%値上げで合意した。驚くような数字である。(1)30%とか、50%といった数字がもれ伝わっていたが、ここまで大幅になるとは思わなかった。 もちろん、鉄鉱石に特殊事情が生じた訳ではない。中国需要の急成長で需要と供給のバランスが崩れているだけの話である。 従って、フレート価格や原料炭価格も同様に高騰している。 これが引き金になって、鉄鋼産業の構造が変わるかもしれない。 規模の力が、原料確保に重要になってきたからである。 とはいえ、鉄鋼産業はそれなりに集約が進んでいる。 欧州では鉄鋼不況が長く続いたため、政治の力で業界再編が進んだ。EUの市場統合により、販売網拡大や物流費削減効果が大きいため、集約メリットが大きかったことは間違いない。 この結果、Corus(英・蘭)、Thyssen Krupp stahl(独)、Arcelor(仏・西・ルクセンブルグ、ベルギー)、Riva(伊)の体制に行き着いた。 さらに、異質な企業も忘れてはなるまい。グローバルなM&Aで成長してきたLNMである。 米国のU.S.Steelも同様な方向に進みつつあると言ってよいだろう。 以上の企業に、韓国のPosco、中国のShanghai Baosteel、日本の2巨頭、新日本製鉄とJFEを加えれば、ほぼリーダーが出揃った、と考えてよいだろう。 このレベルから下の企業では、安価な原料調達は著しく難しいと見てよいだろう。 なにせ、新日本製鉄の規模(2)でも、原料調達におけるバーゲニングパワーを十分に発揮できないのである。 ということは、集約は一段落した訳ではなく、第1幕にすぎない。 そうなるのは、原料側の集約が進んでいるからだ。鉄鉱石貿易の場合、豪と伯が主要輸出元で、日、中、欧が主要輸入元だ。しかも、主要鉄鉱石サプライヤーは3社になってしまった。 こんな状況で、原料調達力を発揮するには、さらなる巨大鉄鋼企業を誕生させるしか手はないと思う。 Poscoクラスが国境を越えた合併を迫られる時代が到来したと考えるべきだろう。 その動きを決めるのは、世界の臨海巨大製鉄所の過半を抱えている日本の動きだろう。この優位性を生かした、超巨大グローバル鉄鋼企業が登場して、ようやく本格的集約が始まることになる訳だ。 --- 参照 --- (1) http://www0.nsc.co.jp/news/index.html (2) 2004年の出銑量は2,970万トン 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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